指導理念

私が空手を最初に始めた頃の指導は、見て覚えろ式の要素が大変強かったように思います。

また師範に直接指導頂いた時にでも「引き手をもっとしっかり引いて」「腰を落として」など、断片的なアドバイスが多かったと記憶しています。

 


運動神経や勘の良い生徒はそれでも上達していきますが、そうでない生徒はなかなか上達しない。私も含めほとんどの生徒たちは技の習得に時間を費やしました。

その後私は学校を卒業してから本業として水泳のコーチを始めました。空手に比べると水泳は指導体系がかなり出来上がっていて、一つの泳ぎでもいきなり全体から始めるのではなく、手の動き、足の蹴り、身体の姿勢、呼吸のタイミングなど分別して行います。一度に全てを行う全習法ではなく、パーツごとに習得していく分習法に優れているわけです。

それに水泳には空手と違い、化学のメスが随分と多く入っています。

私自身は空手でも水泳でも分習法で教わったわけではないのですが、生徒自身はどのように教わりたいのかと、相手の立場で想像力を働かせて日夜指導を続けております。どんなに難解な型や技であっても、生徒自身がギブアップしない限りは出来るまで指導するというのが、今の私のモットーとなっております。

 

空手道俊英塾 塾長 村谷 肇